野球選手を夢見た少年時代。今、プロの世界を支えている自分が言葉にならない
月並みな動機かもしれませんが、僕は幼いころから野球少年でプロを目指していました。だから道を諦めてからも、野球への思いを持ち続けてボールボーイになったのです。ボールボーイ・ガールは全国でもなかなか求人が出ません。ホークスで見つけたときは、「絶対に受かりたい」と全身に緊張が走りました。無事に採用されて、今自分が日本最高峰の野球に携わっているのは自分でもスゴイことだと感じます。僕の仕事は、主に2つ。グラウンド整備やネットの撤去といった練習と試合前後における「グラウンドキーパー業務」。バッドやレガースの回収、ファールボールの回収といった試合中における「ボールボーイ・ボールガール業務」です。試合がないときも常にグラウンドの状態を気にかけ、万全を期すための仕事はさまざま。アルバイト仲間も選手やルールに詳しい人が多くて、いろいろと教えてもらえて楽しく勉強になります。
努力を惜しまない選手たちを支える喜び、自分も学びをやめない
プロの世界は、今まで自分が接してきた野球とは全く次元が違います。打ったときの打球音。低い軌道で遠くまで飛ぶ球。さらに選手は一番になるために誰よりも練習量をこなし、努力を惜しみません。その背中を見ていると「スゴイ」と驚くだけでなく、自分もまた自発的に学び、それを支えなければと熱くなります。振り返ると、学生のころはグラウンド整備でトンボひとつかけるのも甘かったです。土に筋を出さない力の入れ方、持つ角度。1年かけて少しは満足できる仕上がりになりました。試合中はゲームを円滑に進行させるため自分の役割に集中しますが、良いプレーが出ると冷静になるのが大変…。野球が好きで熱い心を持つみなさんにはきっと、この仕事はたまりません。